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『IN DREAMS 殺意の森』

清水 節
text by Takashi Shimizu
“残酷童話風”センスが光るニール・ジョーダンのヤバい感性
 ドリームワークス製作の初のサイコサスペンスは、ビデオショップでの独占ロードショウと相成ったけれど、これは大スクリ−ンで見る価値も十分な完成度を保っている。

『戦慄の絆』の原作者バリ・ウッドによる物語は、アネット・ベニング扮する主人公の夢の中に殺人鬼が棲みついて、謎めいたメッセージを送ってくるというシュールな展開をみせる。何度も夢に現れるのが、男にさらわれた幼女が助けを求める姿。この悪夢が正夢となって、自分の娘の身に降りかかる。

 ベニングが常軌を逸していくプロセスが巧妙で、カメラマン=ダリウス・コンジと美術監督=ナイジェル・フェルプスといったジャン・ピエール・ ジュネ組のスタッフによる幻想的空間は、監督ニール・ジョーダンが脂の乗り切っていた頃の“残酷童話風”美的センスを彷彿とさせるほどに出色の出来栄え。誘拐犯に扮するロバート・ダウニー ・Jrの普段からイッちゃってる目は演技と思えないほどサイコに徹し、普段はエキセントリックすぎて鼻につくアネット・ベニングの演技は、狂気を表現するためにこそあったと思い知らされる。

 頻発する幼女の誘拐や拉致監禁といった現実が、この作品を未公開に留めたのだとしたら、やはりストレートビデオと化したキレる少年の問題作 『ブッチャー・ボーイ』に引き続き、ジョーダンの感性は、なんとまあ“いまどき”と符号してヤバイんだろう。
IN DREAMS
監督:ニール・ジョーダン
出演:アネット・ベニング
   エイダン・クイン
   ロバート・ダウニー・Jr 
1998年 アメリカ
1時間40分
¥16000
徳間ジャパンコミュニケーションズ 
7月7日発売

●森、少女、夢、流れる血といったモチーフは、ジョーダンの出世作『狼の血族』(84)を思わせる。映画全体がまるでひとつの悪夢のような本作。真っ当な謎解きや合理性を期待してはいけない。目眩を起こすような映像の波に、ただひたすら酔えばいいのだ。(編集部)


 

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