“伝説の映画”である。66年制作の本作(処女作でもある)で、制作・監督・脚本・主演のコンラッド・ルークスは、ベネチア映画祭銀獅子賞を受賞。音楽ラヴィ・シャンカール、ウィリアム・バロウズ、アレン・ギンズバーグが出演、マン・レイやオルダス・ハックスリーが協力と、そうそうたる名前が並ぶ。さらに、ドラッグ中毒治療中の幻想を描いた内容も、60年代の“伝説”にふさわしい。そして、極めつけが、その後、第2作を撮り上げた監督が失踪、という“事件”だ。
白黒と色彩が、脈絡なく目まぐるしく入れ代わる映像。ドキュメンタリー風、映像コラージュ風、あるいはドイツ表現派風、そして、ドラッグに瞑想、ネイティブ・アメリカンの精神世界など、ウィリアム・バロウズなどから影響を受けた“ビートニク”精神の映像化を意図したといえるが、それだけでなく、さまざまな映画的記憶が横溢していることが興味深い。精神病院での幻想という設定は『カリガリ博士』だし、ギャングもの、ドラキュラ、西部劇…。あまりに“60年代”していることにへきえきする部分もあるが、今から見ると、その背後にある“映画”そのものへの愛が、むしろはっきり見える。 |
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