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『怪奇十三夜』

轟 夕起夫
text by Yukio Todoroki
往年の新東宝の鬼才がズラリ 中川演出に貞子の原点を見た!
 1971年に日本テレビ系で放映された怪談シリーズ。筆者などは小学生の頃、『怪奇十三夜』という真っ赤なタイトルがドロドロっとなるだけで怖かったが、今回観た『妖怪血染めの櫛』は“マスター・オブ・ジャパネスク・ホラー”中川信夫監督の作品。原作は上田秋成の『吉備津の釜』で、女の櫛に宿る“呪いパワー”を描出。これが『リング』だった。男(酒井修)のもとに化けて出るヒロイン(佐々木愛)は「貞子」の原点。やはり中田秀夫監督の恐怖演出のオリジンは中川信夫だ(『リング』には『地獄』(60)の沼田曜一も出てるしね)。とにかく小気味よい編集と、後半の「ひょっと飛び出す手」の仕掛けが素晴らしい。

 このシリーズ、ほかにも中川監督の『怪談累ヶ淵』、石川義寛監督の『怪猫美女屋敷』、石井輝男監督の『番町皿屋敷』『おんな怨霊舟』(これも観た。吉田輝男が主演で、天井に浮世絵を配し、人物込みで超仰角でとらえる画がいいフンイキ)など往年の新東宝の鬼才たちをセレクト(さらに久松静児、佐伯孚治、山田達雄、遠藤三郎が並ぶ)。いまとなっては“カユいところに手が届いた”人選ですな。

 ところで最後に――、今回収められたのは全6巻で1巻に2話ずつ。つまり12話分。タイトルからすれば13話分あるはずなのだが(ないのは中川監督の『怪談悲恋の舞扇』というエピソード)……何か不都合でも生じたのか……これもまた怪奇なり。
番町皿屋敷
●怪談 累ヶ淵
監督:中川信夫
出演:横内正
●番町皿屋敷
監督:石井輝男 
出演:中尾彬

妖怪 血染めの櫛
●謎の幽霊御殿
監督:遠藤三郎
出演:光川環世
●妖怪 血染めの櫛 
監督:中川信夫
出演:佐々木愛

髏妻の怪
●髑髏妻の怪
監督:佐伯孚治 
出演:露口茂
●おんな怨霊舟
監督:石井輝男
出演:吉田輝雄


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