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『ランスキー アメリカが最も恐れた男』

新村 千穂
text by Yuji Takahashi
マクノートンは何処に行こうとしてるの…?
 「スコセッシ監督なら分かってくれると思ったんだ。フィルムを送り、何度も何度も電話を入れて…。1年後位 にようやく“作品が気に入った。ぜひ会いたい“って言ってきてくれた時は、飛び上がりたいほど嬉しかったさ」もう10年近く前になる。ジョン・マクノートン監督の最後のインディペンデント作品、そして出世作となった『ヘンリー ある連続殺人鬼の記録』に触発され、NYへ彼を訪れた時に聞いた話だ。この話の通 り、『ヘンリー〜』以後、彼はマーティン・スコセッシ監督の元で、『恋に落ちたら…』を監督し、華々しくメジャーデビューを果 たした。そして一昨年には、俳優ケビン・ベーコンの元で、『ワイルド・シングス』を監督し世界的なスマッシュヒット作品を世に送るまでになったのだ。

 本来ならば、こうしたメジャーでの成功の経緯を喜ぶべきところだが、なにか釈然としない物を私は…いや彼自身こそ抱えてる気がしてならない。劇場未公開の新作、この『ランスキー〜』は、20年代に頭角を現した伝説的マフィアの半生を描いたもの。「ようやくスコセッシ監督も唸ったよ」くらいの言葉を、こんな作品でこそ聞きたいのだが、『ヘンリー〜』に匹敵するほどの“らしさ”は今回も希薄だと言わざるを得ない。

LANSKY
監督:ジョン・マクノートン
出演:リチャード・ドレイファス、
   エリック・ロバーツ、
   アンソニー・ラグパリア
1999年 アメリカ
1時間56分
タキコーポレーション \16,000

●デ・パルマの『アンタッチャブル』を書いた名脚本家、デヴィッド・マメットが脚本と、自ら製作を担当し、映画ファンお馴染みのバグジーやルチアーノを登場させた話題作。イタリア系のカポネみたいなスターじゃなく、地味な戦術でノシていったユダヤ系が主役の辺りはこの監督らしい映画だが…。(編集部)


 

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