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| 『ジェネラル 天国は血の匂い』 |
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高橋 論治
text by Yuji Takahashi |
| ≫ 鬼才、本領発揮の実録クライム・アクション |
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新作『テイラー・オブ・パナマ』の公開も迫るジョン・ブアマンの'98年作である。ブアマンといえば、かつて『殺しの分け前 ポイント・ブランク』、『脱出』といったカルトな異色作を連発した知る人ぞ知る巨匠。3年前の英国映画祭で上映され、そのままオクラ入りとなっていた本作は、彼が久々に放った“傑作”と自信をもってお薦めできる1本だ。
アイルランドに実在したギャング団のボス、マーティン・カーヒルが、敵対関係のIRAによって路上で暗殺されるまでの半生を描いた実録もの。同じくカーヒルをモデルにしたケビン・スペイシー主演作『私が愛したギャングスター』もまずまず楽しい怪盗アクションだったが、白黒フィルム(ビデオは着色版)によるドキュメンタリー・タッチで押しまくるブアマン版の馬力には到底かなわない。
見た目はそのへんの労働階級のオッサン だが、底なしのガッツと神出鬼没の行動力を武器に、ひたすら警察権力をおちょくりまくるカーヒル
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THE
GENERAL(劇場未公開)
監督・脚本:ジョン・ブアマン
出演:ブレンダン・グリーソン/ジョン・ボイト/エイドリアン・ダンバー
1998年 イギリス、アイルランド
1時間58分
オンリー・ハーツ
16000円
発売中 |
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●アイルランドに実在した伝説的な強盗マーティン・カーヒルの生涯を描く。監督のジョン・ブアマンは本作で1998年のカンヌ国際映画祭のコンペティション部門で監督賞を受賞。ちなみに原題の“ジェネラル(将軍)”とは部下を巧みに使い、犯罪を遂行していったカーヒルの異名。
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のキャラクターがとにかく圧巻。家族をこよなく愛し、お金には無頓着な彼が、あれよあれよと大胆極まりないダイヤや絵画の強奪作戦を成功させていく姿は、ほとんどシュール&ナンセンスですらあり、映画そのものが喜劇的な寓話の域に達している。シャープなカメラワークと編集術を駆使して、狭い路地のバイク・アクションなどを連打するブアマンの演出にも惚れ惚れとさせられるばかりだ。
なぜカーヒルが命を賭けてまで対警察の闘いに執念を燃やしたかは、映画を見終えてもさっぱりわからない。カリスマ的なダーティヒーローのように見えて、実は一世一代の大バカ野郎だったのかもしれない。みずから脚本も執筆したブアマンは、そんなカーヒルに空しさや悲しみよりも奇妙な安らぎが勝る結末を用意した。これぞ怪人にふさわしい鎮魂歌。このシネマスコープの驚くべき濃密な映像世界を、スクリーンで堪能した人がちょっぴり羨ましい。 |
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