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『惨劇の週末』

清水 節
text by Takashi Shimizu
ラテン臭さを感じさせないスマートなモダンスリラー
 ことの発端は週末のパーティ。酔いが回った若者たちが、仲間のひとりを寝袋につめたままプールに投げ込む。ほんの冗談のつもりが、彼は溺死してしまう。思わぬアクシデントに酔いも一気に醒めるが、結局死体を埋め、このおぞましい出来事はその場に居合わせた6人だけの秘密にしておくことに…。あれから4年。忌まわしい過去に苛まれながらも、普通の生活を送っていた当時の6人が、ひとり、またひとりと姿なき殺人鬼に殺されていく。

 なあんだ、『スクリーム』『ラストサマー』系列の連続猟奇殺人アイドル・ホラーか、と早合点してはいけない。これは天下のスパニッシュ・スリラー! 『オープン・ユア・アイズ』の斬新な映像と展開も記憶に新しいが、決してハリウッド的お決まりの結末は待っていない。かといって、意外な犯人にビックリ仰天なんて脳天気な物語とも一味違う。

 主役の彼(『オープン・ユア・アイズ』のフェレ・マルティネス)はスペイン語さえ話さなければ、スペイン人とはわからない端正な顔立ち。登場する建物はモダンで、未来都市のような雰囲気。残
 
 
THE ART OF DYING
監督:アルバロ・フェルナンデ・アルメロ 
出演:フェレ・マルティネス/マリア・エステベ/ルシア・チメネ
2000年 スペイン
1時間42分
エスピーオー
16000円
4月27日レンタル
忍な殺人現場でも真っ赤な血は流れない。そう、情熱の国をイメージさせるラテンくささはどこにも感じられない。強いて言えば、最初に仲間に殺された奴の「ナチョ」という名前くらいか。

 無機質ともいえる映像空間の中で淡々と殺人が繰り返され、その冷たさが恐怖を煽りまくる。温もりを敢えて排除した映像には、すべて理由があった。犯人探しに没頭すればするほど、監督にしかけられた罠にはまってしまう。どこか泥臭くて垢抜けないと感じていたスペイン映画のイメージがガラガラと崩れ去る実にスマートなモダンスリラー。お願いだから、トム・クルーズ主演でハリウッド・リメイクしないでおくれ。


 

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