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『クレイジー・イン・アラバマ』

高橋諭治
text by Yuji Takahashi
人気ラテン俳優の小粋な初監督作
 ラテンのセクシー男アントニオ・バンデラスの監督デビュー作が、本人が出演していないせいか、劇場未公開のままビデオ発売された。マーク・チャイルドレスという人の小説を映画化した原作もので、2つのエピソードが並行して展開するにぎやかなストーリーを軽快なタッチでさばいている。

 '65年、アラバマの夏休みを過ごすピージョー少年が、人間の死や人種差別問題などの社会の不条理に触れて成長していく姿を、『スタンド・バイ・ミー』風のノスタルジックな感動をこめて描写。は
 
 
CRAZY IN ALABAMA
(劇場未公開)
監督:アントニオ・バンデラス
出演:メラニー・グリフィス/ルーカス・ブラック/ミートローフ・アディ
1999年 アメリカ
1時間52分
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
15800円
4月4日発売



http://www.spe.co.jp/
たまた少年の風変わりな叔母さん(監督のキュートな細君メラニー・グリフィス!)が、自ら殺した暴力夫の生首とともにハリウッドに旅立つ設定は『ガルシアの首』を思わせたりする。

 もちろんこの映画は硬派な社会派ではないし、ペキンパー作品のような生々しい死の匂いもこびり ついていないハリウッド製エンターテインメントだ。それでも野性的なセクシーガイとばかり見られがちなバンデラスの意外に多芸な一面を再確認できるし、のびのびとウェルメイドなオフビート・コメディをめざした点にも好感がもてる。また『夜の大捜査線』の白人至上主義者役で有名なロッド・スタイガーに、人種差別殺人の裁判官を演じさせたブラックなキャスティングに思わずニヤリ。俳優監督ならではのこだわりがうかがえる。


 

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