ジョン・フランケンハイマーは、あまりにも日本では過小評価されすぎてやしないか? たしかに80年代前後からヤバい時代が続きはしたさ。『プロフェシー恐怖の予言』('79)、『D.N.A.』('96)なんてキワモノを撮ってしまったのは彼には違いないよ。
でもね、 彼独特の硬派な<ポリティカル・サスペンス>と<スピード・アクション>をTVの洋画劇場やビデオソフトで後追いながら堪能した世代としては、スタイリッシュなどという形容詞で語られる今どきの若手監督の大半に「フランケンハイマーでも見て出直してきな」と言ってやりたくもなるね。いいかい、ジョン・ウーが『フェイス/オフ』('97)のベースにしたのは、彼が65年に撮った手術で別人格を手に入れる『セコンド』なんだよ。洗脳をテーマにしたカルトな政治劇『影なき狙撃者』('62)も、戦時下娯楽サスペンスの傑作『大列車作戦』('64)も観てない人が多すぎるんじゃないの。
ま、『RONIN』('98)から入るのもいいけれど、60年代あたりのは絶対観るべきだぜ。で、『レインディア・ゲーム』はどうかって? そりゃあ、緊迫感や映像センスは往年の乗りとは違うよ。もう70歳だから。政治色はなくなり、スピード感も落ちたけど、お得意のヒヤヒヤ・タッチにコミカルささえ加味して、肩の力を抜いてのびのび撮ってる解放感があるんだな。たとえば、ネチネチ度が取れた昨今のウディ・アレンや、洒脱さを失わない市川崑のように、個性的なまま、次のステージへ行っちゃったって感じ。そんじょそこらの職人じゃない彼が、達観して娯楽サスペンスの世界へ帰還してくれたことを祝おうじゃないか。 |
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REINDEER
GAMES
監督:ジョン・フランケンハイマー
出演:ベン・アフレック
ゲイリー・シニーズ
シャーリズ・セロン
2000年 アメリカ
1時間44分
SHV松竹ホームビデオ
16000円
発売中 |
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