たとえば『シックス・センス』がそうであるように、子供の精神と日常、あるいは幼少期に受けたトラウマというテーマは、あらゆるジャンルの形を借りて送り出されることが増えた。すさんだ現実を反映してることは明らかなんだが、よくよく考えると、この国でも頻発しているキレた子供たちによる悲惨な出来事は、意外にも映像化されることは数少ない。映画製作の現場の事情を度外視すれば、まだまだ欧米は日常にゆとりがあって、内面を客観視することができるからなのだろうか。
このフランス映画もまた、目をそむけたい少年の心の闇をテーマに、絶妙にエンターテインメントに昇華している。厳粛でいて、しかし人生に挫折を感じた父。やるせなさと希望を託す想いがないまぜになって、12歳の息子へ過剰な要求を強いる。その抑圧を、寡黙な少年の表情によって、淡々と映し出す。
中盤までは、まったくのドラマ・タッチ。息苦しいまでの少年の心理がギリギリの状態に追い込まれ、幻想と交錯しはじめる構成が秀逸だ。現実の17歳前後のガキんちょたちも、おそらくキレる臨界点に達したとき、きっとこんな感じで、世界はファンタジーとホラーとリアルの狭間をさまようのだろう。この映画の現実と妄想のバランスは、『反撥』や『エルム街の悪夢』にも拮抗し、しかし、あくまでも現実から離れすぎず、冷静に狂気を見つめる視点が素晴らしい。 |
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LA CLASSE DE NEIGE
監督:クロ−ド・ミレール
出演:クレモン・ヴァン・デン・ベルグ
ロックマン・ナルカカン
フランソワ・ロイ
1998年 フランス
1時間36分
にっかつ
16000円
10月27日発売 |
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