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『とんねるずのコント』(1)(2)

宇都宮秀幸(編集部)
text by Hideyuki Utsunomiya
とんねるずの面白さはハプニング性だけではない
 石橋貴明自らが言うように、とんねるずの笑いのベースといえば共通 体験ネタに代表される“部室芸”だが、デビュー当時の『お笑いスター誕生』などの彼らを思い出すと、シュールなシチュエーション・コントの印象の方が強い。

 例えば、ゴツイ不良の先輩(石橋)がいじめられっ子の後輩(木梨)を呼び出し愛を告白するネタなどは新鮮でとてつもなく面白く、中学生だった僕は、彼らというよりは彼らの“作品”見たさに学校から走って帰ってきたものだ。

 いまあらためて考えてみると、とんねるず本来の面白さは、後に彼らの売りとなった素人っぽさやハプニング性よりも、設定の意外さ、会話の間やテンポ、強烈なキャラクターといったきわめて演劇的な要素にあったように思う。そういえば、秋元康が初めてとんねるずを目撃した際の第一声は「君たち、つかこうへい好きでしょう」だったそうだ。

“芸人”というよりは、歌や司会といった“芸能人”的活動が主だったここ10年。その一方でとんねるずは毎年苗場プリンスホテルで、原点である2人だけのコントを黙々と続けてきた。ジャイアント馬場とその双子の弟が知人の結婚式に出席するという不条理かつベタなものからおなじみの学園ものまで、最低限の舞台装置だけを使って繰り広げられるネタの数々は、どれもパフォーマーとしての2人の底力を感じさせるに十分なものばかり。素人、部室芸という自らの言葉とは裏腹に、実はとんねるずこそプロ中のプロの演者なのではないだろうか。

©Arrival 2000
出演:とんねるず
2000年 日本
各1時間10分
各4800円
メディアファクトリー 
発売中

●天才型の木梨に対し石橋は不器用という評価が一般的だが、演者としての石橋も希有な存在であることがこのビデオを観ると分かる。特に本人のサディスティックな気質とは逆の、気弱だが狂気を秘めた男を演じる彼は抜群。大柄な体から放たれるおかしさと怖さは、木梨にはない石橋独特の魅力だ。(宇)


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