“B級映画の帝王”なる誉れ高き異名で知られるロジャー・コーマンは、世の流行を巧みに採り入れたローバジェットの映画作りで知られるが、娯楽のツボを押さえることに長けた職人でもある。だからこそ、どんなにチープなホラーやアクション(たいていの作品はそうだ)もズサンにならず、見る者は“それなり”のスリルを味わうことができるわけだ。
この『BATS 蝙蝠地獄』のルイス・モーニュー監督は、コッポラ、ジョナサン・デミら幾多の映画人を輩出してきたコーマン道場の出身。ヒッチコックの『鳥』さながらにコウモリが人間サマを襲うという動物パニック映画だが、馬鹿にできないタイトな仕上がりを見せている。
無惨に変わり果てた被害者の血まみれの死体を提示する導入部から、美人学者と保安官が廃校に立てこもってコウモリの群れに応戦する中盤、一か八か敵の巣に突撃をかけるクライマックスへと、流れるようなジェットコースター話術が見事。さらにコウモリの凄まじい暴走ぶり、大マジメに打開策を練る人間たちの描写
にいちいち勢いがあるので、スペクタクルに“それなり”以上の迫力がみなぎっている。
同じモーニュー監督のビデオ既発作品『リバース』しかり、『ブルズ・アイ』しかり。こういう安っぽく見下されがちなB級映画に一生懸命“魂”を注入する人は、将来何かデカイことをやってのけるかもしれない。ただし、マイナー路線のまんま全力で突っ走ってほしいという気もする。 |
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