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『ミステリー・メン』

清水 節
text by Takashi Shimizu
ヒーローなき時代のヒーローは健気に頑張る「おおバカ」野郎たち
 とりあえず「おバカ」と銘打っても、奇をてらいすぎて笑えない作品は数多い。そんな笑わせてやろうなんて野心を感じさせないのが、未公開扱いも無理はないこの「おおバカ」映画。

 グレッグ・キニア扮するヒーローは堕落してるし、ジェフリー・ラッシュ扮する悪の権化は精神異常者。主人公は、そこらへんにいるうだつの上がらない奴ら。ウィリアム・H・メイシーにハンク・アザリア、ベン・スティラーにポール・ルーベンスなどなどツボを抑えたキャスティング。ブレラン的オリエンタルな街を舞台に、さらわれたヒーローを助けようと立ち上がるんだが、なにしろ一般 ピープルである彼らの武器は、銃でもカンフ−でもない。なんと、スコップやフォークに、ボウリングの球にオナラ!? ほとんどガキの使いである。

 CM出身の新人監督は、コメディらしからぬ演出を貫いた。ミステリーな面 々は精一杯に生きていて、その健気さがバカに見えるのだ。これってもしや、ジェダイvsシスの戦いに感情移入しきれない、勧善懲悪なき時代のメタファーか。こんな時代でも、メディアのなかのヒーローに憧れながら育った世代は、どこかヒーローの存在を信じたい。そう、ミステリー・メンは、ヒーローになりきれないオタク世代の心情をくすぐる、キミのための映画だよ。
MISTERY MEN
監督:キンカ・ユーシャー
出演:ハンク・アザリア
   クレア・フォラーニ
   ジャニーン・ギャラファロ 
1999年 アメリカ
2時間1分
13333円
CICビクタービデオ
7月28日発売


 

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