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『七番目の密使』

轟夕起夫
text by Yukio Todoroki
ちょっと女をイジメるカンジ…雷サマのクールなセリフにク〜っ!!
 永遠の貴公子・市川雷蔵主演のサスペンス・スリラー時代劇。いってみるなら、雷蔵版ミッション:インポッシブルですな(って、それは言い過ぎだろっ!)。雷サマの役は、タイトル通 り、七番目の密使。密使とは、ある特命をひそやかに遂行する使いの者のことである(あれ? 字ヅラのマンマですいません)。

 舞台は幕末。同志を救うため、勅書を手に江戸へと向かう密使七名。といっても六名はすぐやられ、勅書もニセモノばかり。そこで残るひとり、雷サマがすべてのカギを握る男として浮上してくると。それを阻止せんとする幕府方の役人(河津清三郎が実に憎々しく演じてますゾ)との攻防が見どころだ。

 監督は『薄桜記』『ある殺し屋』ほか名コンビの森一生。で、ですねえ、俺的にグっときたのは、スタ−トしてから36分ごろに登場するシチュエーション。雷サマと、役人の情婦(阿井美千子)とのこんなやりとりだ。なにかと、つけ狙ってくる彼女を追い込んだ雷サマ。そこで一言キメる。「斬りたい! だが、私がお前なら斬られたくはない。追うも追われるもすべて使命のためだ。それにお前は女の身だ。命を大切にするがいい」。

 この割り切りすぎたク−ルな論理。助けているのに突き放した、ちょっと女性をイジメるカンジで言うのがいいんですよね。もちろんこのあと情婦はメロメロ。後年の眠狂四郎でおなじみのサディスティックなテイストが垣間見られます。ちなみにこの58年、雷サマは『炎上』や『濡れ髪剣法』にも出ていました。若い若い。
監督:森一生
出演:市川雷蔵
   阿井美千子
   三田登喜子
1958年 日本
1時間14分
\3800
大映
6月9日発売
※『化け猫御用だ』(58)『薔薇大名』(60) など 
  雷蔵特別出演作、計6本が同時リリース


 

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