ハリウッドで活躍する英国人監督マイク・ニューウェルは、『フォー・ウェディング』『フェイク』を代表作にもつベテランである。そのほかにも幼い兄弟の冒険行を驚くべき感動をもって描き上げた『白馬の伝説』、アイルランドの平和な田舎町で破滅していく男のバイオレンス映画『バッド・ブラッド 狂った血痕』(先頃ビデオ発売された未公開作)といった傑作もモノにしている。
そんなニューウェルの最近作『狂っちゃいないぜ』は腕ききの航空管制官が、思わぬ
ライバルの出現によって仕事も私生活もボロボロになっていくシニカル・コメディだ。ストレスに疲れた主人公の“癒し”映画ともいえるが、屈折した男同士の友情劇としてかなり面白い。クライマックスに飛び出す超ナンセンスなストレス解消法も必見といえる。
70年代にみっちり英国のTV界で経験を積んだニューウェルは、自分では脚本を書かずひたすら演出に専念してきた。気に入った題材だけを、コツコツと腕によりをかけて磨き上げる職人タイプなのだろう。ほどよく感情表現を抑制しつつ、しっかり娯楽性をキープした映画作りが彼の真骨頂。“××の第一人者!”というふうにレッテルを貼りづらい人だけに、やむを得ない面もあるのだが、もっと評価されてもいい監督だと思う。 |
 |
PUSHING TIN
監督:マイク・ニューウェル
出演:ジョン・キューザック
ビリー・ボブ・ソーントン
ケイト・ブランシェット
1999年 アメリカ
2時間4分
¥17000
20世紀フォックス ホームエンターテイメント ジャパン
6月2日発売 |
 |
|
|