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『ダッド・サベージ』

高橋 諭治
text by Yuji Takahashi
英国産クライム・ストーリーは、泥臭い“かっこ悪さ”が味!
 つい最近、大阪などで限定ロードショーされたイギリス映画がビデオで登場。“荒くれパパ”とでも訳せそうな人を食った名前のタイトルロールを、“ピカード艦長”ことパトリック・スチュアートが演じている。ザ・ジャムの名曲『ゴーイング・アンダーグラウンド』が鳴り響くオープニングから、ぐいぐい引き込まれる犯罪劇の佳作だった。

 退屈な日常にうんざりしている田舎町の悪友コンビが、チューリップ園を経営する地主ダッド・サベージの隠し金を盗もうとするが見事に大失敗。逆に、怒らせると鬼より怖いダッドのサディスティックな尋問を受けるはめになるというストーリーだ。

 巧みな回想形式で“悪事の破綻”を描きつつも、同じ英国産のヒット作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』のようなモダンさはない。しかし無思慮な現金強奪作戦に走り、欲望と裏切りの果 てに転落していく若者たちのダメっぷりは、こちらのほうが遙かに上。そのいかにもイギリス映画的といえる泥臭い“かっこ悪さ”が本作の味になっている。アメリカ行きを夢見る彼らの前に、なぜかカントリー音楽をこよなく愛するカウボーイ・ルックの怪人ダッドが立ちはだかるシニカルな設定も深読みを誘う。この新人監督(♀)と脚本家(スティーブン・ウィリアムス)の名前を覚えておくことにしよう。
DAD SAVAGE
監督:ベッツァン・モリス・エヴァンス 
出演:パトリック・スチュワート
   ケヴィン・マクキッド
   ヘレン・マックロリー 
1997年 イギリス
1時間45分
¥16000
K2エンタテインメント
6月2日発売


http://www.fujicreative.com/movie.html


 

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