カンヌ映画祭に出品が決まった『御法度』は、やはりひとつの話題をさらうことになるのだろうか。オオシマ13年振りの監督作、しかも新選組という特殊な世界に、ホモセクシュアルな性愛を真っ向からぶつけたこの映画が、海外ジャーナリストの歓心を買わないわけはない。それは、オオシマもとっくに心得ていることだろう。
理念と規律で固められた男たちの集団。加納惣三郎という美しき闖入者は、そのケのない近藤勇や土方歳三まで心騒がせることになる。では、沖田総司は? 実はこのところが問題だ。だからこそ司馬遼太郎の原作にない「菊花の約」が、後半のクライマックスになるのではないか。情交があった義兄弟の話を延々と語る総司。そして、惣三郎は何に対して、前髪を切らないと願を掛けたのか。
生と死が隣り合わせの男たちはエロスを内へと囲い込む。それは時として、男女の関係よりもっと濃密に。はたして惣三郎が最も愛されたかったのは、総司ではなかったか。願掛けはその表れではなかったか。土方が切り落とした桜は、惣三郎という“化け物”を肥大させてしまった男たちの内なるエロスの狂気かもしれない。 |
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監督:大島渚
出演:ビートたけし
松田龍平
武田真治
1999年 日本
1時間40分
\16000
松竹/角川書店
5月21日発売 |
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●日本映画らしからぬリュミエール(映画の光)、組織を滅ぼすファム・ファタールの物語、敵対した武満徹を再評価したかのような坂本の音楽…日本映画、それも時代劇を撮っても、もはやオーシマはポランスキーやヴァディム同様に国籍を喪失した監督であることが感じられる。(編集部)
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