いまさらながら映画監督とは不思議な職業である。仕事の終着点は同じ1本のフィルムなのに、そこに至るまでのアプローチの仕方はまさに十人十色。妥協を許さない独裁者もいれば、八方に気を配りつつ、いつのまにか自分の思い通
りに事を進めてしまう策士もいる。完成した作品以上に、この職業における成功者は、好人物にせよ嫌われ者にせよ、まず人間としてたまらなく面
白いのだ。
このビデオは、異才から大御所まで現代のアメリカを代表する監督と、縁の人物に取材したインタビュー集。意外なことに、キャメロンやリーのようにアクの強い監督よりも、世間的には凡庸とされるリチャード・ドナーやゲイリー・マーシャルのような職人監督のエピソードの方が数段興味深い。
例えばドナーだが、この人の真骨頂は作家性とか独創的発想とかではなく、“スター扱いのうまさ”にあるのだ、ということが良く分かった。『スーパーマン』で、ヒゲを剃るのを嫌がるハックマンを奇策を用いて説得するくだりなどは最高におかしい! また、細かいことは気にせず、何より現場のノリを大事にするマーシャルの、「これをやる意味は?必然性は?とか聞く女優は大嫌い」なんて発言もひどく痛快に聞こえる。
どの監督にも共通していえるのは興行的に失敗した作品について語る時こそ、その人物の素顔がのぞくという点。映画という仕事は、莫大な金がついてまわる。成功なら祭り上げられ、失敗すればサギ師扱い、天国と地獄が常に背中合わせ。自分でやりたいとは絶対に思わないが、端から見ていてこれほど面
白い人種もない。 |
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THE
DIRECTORS
出演:ジェームズ・キャメロン/スパイク・リー/
テリー・ギリアム/ジョン・カーペンター/
ゲイリー・マーシャル/ロバート・ゼメキス/
リチャード・ドナー/シドニー・ルメット/
シドニー・ポラック/
ウィリアム・フリードキン/ロバート・ワイズ |
1995〜98年 アメリカ
(1)〜(11)
各59分
各¥3500
東北新社
発売中 |
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