“日本のマスター・オブ・ホラー”鶴田法男監督は、これを見て真剣に引退を考えたという。恐怖とは何か?を追求し続けてきた黒沢清監督と脚本家・高橋洋は口をそろえて「怖い、怖い」と言う。
天才は忘れた頃に…というが、一段落した感もある和製ホラーブームの終わりに清水崇監督・脚本作『呪怨』は突如現われた。噂を聞きつけ、恐る恐るビデオを見た臆病な僕は、「今夜は眠れない…」と思いっきりブルーになってしまった。噂はまさに真実。『呪怨』の恐怖の偏差値は東大クラスといってもいい。
舞台は、ある惨劇が起こった呪われた家。10分ほどの短さの、一見、無関係なエピソードが並び、やがてじわじわとイヤ〜な全体像が浮かんでくる。それぞれのブロックに必ず1回は恐怖ポイントがあるのだが、その手法は実に多彩
だ。あえて人物をボンヤリと映したり、何もない空間を意味ありげに撮ることで不安をかきたてる静の演出。かと思えば、一番怖い角度を計算した上でオバケをド〜ンと見せる動の演出もある。加えて、誰かがそこにいた…という“残存物の恐怖”や、2階で何かが動いた!という“音の恐怖”まで目立たないが効果
的な小技もばっちり。
つまり清水監督は、冒頭に挙げた先人たちが実験を重ねた末に編み出した“怖さの黄金律”を軽がるとリミックスしてみせ、さらにタランティーノばりに時間軸と人称を自在に操る、現代的な語り口も備えているというわけだ。妙な例えだが、舞ノ海が“技のデパート”だとしたら、清水崇はさしずめ“恐怖のデパート”。もっともっと注目されるべき才能だと思う。 |
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『呪怨』 |
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『呪怨』
監督:清水崇
出演:柳ユーレイ
三輪ひとみ
1999年 日本
70分 |
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『呪怨2』
監督:清水崇
出演:大家由祐子
芦川誠
1999年 日本
76分
各¥15000
東映ビデオ
発売中 |
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●…と思ったら続編『呪怨2』は意外に低調。“怖がらせる”というよりは“驚かせる”方向に演出が変化しているように思えるし、貞子
meets 富江みたいな女幽霊にもオリジナリティがない。清水監督、どこへ行く!?(編集部)
http://www.toei-video.co.jp/
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