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『ハムナプトラ2 黄金のピラミッド』

森 世一
text by Seiichi Mori
隠された自然回帰のメッセージ
 この超エンタテインメント作品は、まるで映像の洪水だ。小麦色の肌の美しさ、砂のエジプトの美しさ、舞台は1930年代から、遥か5000年前の時をかけめぐる。文句のつけがたい夢の世界への旅。映像のスピードに負けないほど、音楽も一大オーケストレーションで掻き鳴らされる。

 実験的な作品が作られる時、音楽のイメージが先にあって、それに触発されて映画を作るということがある。この作品の場合、先に音楽をイメージするのが難しいほど、映像と物語のスピード感がすごい。

 物語における子供の役割、チャンバラ、エロチックに感じるほどの人間の肌…。音楽が入り込むスキがないほど、次々にイメージが現れる。これでは、音楽も正攻法でいくしかないだろう。

 
 
『ハムナプトラ2 黄金のピラミッド』
THE MUMMY RETURNS

発売:ユニバーサルミュージック
UCCL-1013
2,381円(税抜き)
音楽:アラン・シルベストリ
バークレー音楽院卒業後、プロのギタリストとして活動。その後、アレンジャーとして活躍し、映画界入り。『ロマンシング・ストーン 秘宝の伝説』('84)をきっかけにロバート・ゼメキスとのコラボレーションを重ねていく。代表作は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ、『フォレスト・ガンプ/一期一会』('94)ほか
 ホーンセクションも弦もドラムも鳴り響くのだ。これは映像が呼びよせた音楽に違いない。この映画はゲーム感覚で何も喚起しないという意見があるかもしれないが、実は自然回帰のメッセージがあり、ネイチャーを強く感じる。

 オーケストレーションの壮大さに、隠れてしまいそうな小さな音も面白い。映像の派手さににかき消されてしまいそうな、古代エジプトのリズムやヴィオリのメロディが奏でられ、コーラスによって音に厚みがもたらされる所など、音楽的に実にスリリングである。この音楽の見せ所は、キチッとCDで確認したい。この映画をどう観るか。この音楽をどう評価するか、これはある種のフィルターの役割を果たす作品かもしれない。


 

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