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『センターステージ』

森 世一
text by Seiichi Mori
アメリカン・ポップミュージックの底力を見る
 『全体を、ジョージ・フェントンによるスコアと、良質なアメリカン・ポップミュージックで飾りつけたこの映画は、いかにもといったアメリカンエンターテインメントを見せつけてくれた映画だった。

 ジャジーなフェントンの音楽で始まるこの映画の冒頭シーンは、バレエシューズをそれぞれのダンサーが折り曲げたり叩いたりして足に馴染ませようとするリアルな場面である。なるほど、この映画はオトナの映画になっているなあと、まずは感心。

 残念ながら現時点で、このオトナの(ティーンエイジでないという意味)ドラマを盛り上げたフェントンの功績を伝えるCDは出ていないので、せめてこちらのコンピレーションで楽しむしかない。

 
 
『センター・ステージ』
CENTER STAGE
コンピレーション(輸入盤)
音楽:ジョージ・フェントン
イギリス、ケント州育ち。『ガンジー』('82)、「遠い夜明け」('87)ほか4作品でアカデミー賞作曲賞にノミネート。本作の監督であるニコラス・ハイトナーとは『英国万歳!』('94)、『クルーシブル』('96)などの全作品でコンビを組んでいる。
 良くも悪くもたった2時間の映画の中に14曲もの音楽を配置してしまっている。マイケル・ジャクソンやレッド・ホット・チリ・ペッパーズなどがパッケージされていて、そこには音楽をもてあそぶアメリカという国も見えてこないでもないのだ。

 それにしてもこのバレエ映画に登場するアメリカン・ポップの、その違和感のなさには舌を巻く。まるで、ジューク・ボックスから流れるように羅列される音楽が、この映画の持つある種の情感を底上げし、なおかつ、ジョージ・フェントンの音楽とも何の異化作用もおこさないのだから、まったく不思議なのである。


 

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