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『ブレアウィッチ2』

森 世一
text by Seiichi Mori
自然音が音楽になる瞬間
 これは夢か恐怖による集団心理的幻想だったのか、死だけが確かな現実となった物語。森の空撮から始まるこの物語はカーター・バーウェルの音楽的戦略が見事なまでに映像へのカタルシスへと変遷し、傑作となっている。

 主人公の撮影隊が森に入り込み何やら呪術的な風景の中に迷い込む。そこに持ち込まれたのはビデオ機材とパソコン。この映画が単純に、森の中で起きたホラー的現象で魔女伝説的オチだとしたら、単にアフリカンで原始的なモチーフを使えば充分音楽として事足りたに違いないのだ。この映画はもっとリアリズムとして明確な位置を持っている。魔女とか呪術とかをほのめかしているが、もっと近代に近いものなのだ。
 
 
『ブレアウィッチ2』
(スコア)

BOOK OF SHADOWS BLAIR WITCH2
発売:BMGファンハウス  BVCF-31074
2548円(税込み)
音楽:カーター・バーウェル
プロのスタジオミュージシャンを経て、1985年にコーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』で映画音楽に初めて挑戦。以降、『ビッグ・リボウスキ』('98)まで、コーエン兄弟の作品を手がける。代表作は『陰謀のセオリー』('97)、『マルコヴィッチの穴』('99)ほか

 呪術的だが近代=現代に近づいていく音楽。それはどんな音楽なのだろうか。カーター・バーウェルの音とはミュージックコンクレート(楽器以外の自然音や騒音などを取り入れた音楽形式)に近い音だった。特に7分にも及ぶタイトル曲。水の音や木をたたくといった音がからみ合い、いつしかそれらの音が打楽器と化し、音楽として成立していく。そこにうまくシンセが加わると、まさに呪術的アフリカンな音から近代音楽へと変化する。まったくすごい曲である。自然音をモチーフにした曲はこの後も出てくるのだが、その大胆さと巧妙さには驚かされる。映画音楽として大傑作である。


 

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