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| 『ツバル』 |
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森
世一
text by Seiichi Mori |
| ≫ わずかな音楽に感じるサスペンス |
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果たしてどこの国の誰の物語かわからない異色のファンタジーである。モノクロ調の色彩やサイレント風の演出、たとえばヌードの場面のように、時々霧のように現れる美しい映像が素晴らしい。サイレント風ということは、音楽が重要になるはずだが、実際はえらく消極的なのに驚かされた。消極的とは軽視されているということではなく、音楽そのものの出番がかなり少ないのだ。
まずタイトルのところで何秒か流れるヴィブラフォンの音に奇妙な印象を受ける。その次はハープだろうか、そこにドラムの音が重なっていく。全体的には交響曲のようにドラマチックに展開するの
だが、それぞれの曲はどれも2分前後しかない。だが奇妙に面白いそれは個々の楽器の面白さと、ど
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『ツバル』
TUVALU
(輸入盤) |
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音楽:
ユルゲン・クニーパー
代表作『アメリカの友人』('77)『リスボン物語』('95)
ゴラン・ブレゴヴィッチ(エンディングテーマ)
代表作『アリゾナ・ドリーム』('92)『可愛いだけじゃダメかしら』('93)
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う曲が展開するかわからないサスペンスに満ちている。たとえば映画のタイトルと同じ「ツバル」という曲では、なんとハワイアンがモチーフになっているのだ。
ほかに、日本の“チンドン”を思わせるような音も実に楽しい。このチンドンの音が今度はトライアングル(だろう)の音色に変わり、ジャズ風の曲へ変化していくのだ。ここにはユルゲン・クニーパー(『ベルリン 天使の詩』)からゴラン・ブレコビッチ(『アンダーグラウンド』)への音楽のバトンタッチが、見事な変奏と融合として見てとれる。クニーパーのサスペンスに満ちた音を楽しむ1枚。 |
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