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『バトル・ロワイアル』

森 世一
text by Seiichi Mori
死の物語に寄り添う、叙情的なクラシック
 次から次へと死の恐怖が襲う物語を、深作監督は愛の物語として完結させた。スピーディーな映像で展開するこの戦争映画には、壮大なる音楽こそふさわしい。

 まずタイトルロール、のっけからクラシック音楽が鳴り響く。ベルディのレクイエム(鎮魂曲)である。全体をおおう音楽は実に叙情的といっていい。

 叙情的というと甘いイメージを呼びおこしそうだが、『バトル・ロワイアル』は、“彼”や“彼女”の死が横たわる物語。甘いなんてものではない。実にスサマジイのだ。生徒たちがそれぞれに武器
 
 
『バトル・ロワイアル』
発売:カルチャーパブリッシャーズ
販売:ワーナーミュージックジャパン
2667円(税抜き)
音楽:天野正道
代表作『おもちゃ』('98)『海のオーロラ/The AURORA』(2000)
を渡されるシーンには死臭ただよう行進曲のような音楽。死にぎわに恋人たちが愛を語る場面ではシューベルトの「水の上で歌う」が流れる。

 いわば実に正攻法の音楽づくりなのだが、むしろ新しさが感じとれた。深作の語るそれぞれの場面のムードに音楽はシンクロする。本来ならこれではお互いのイメージに寄り添いすぎて甘くなってしまうのだが、映像も音楽も実はそれ以上に拮抗し緊張感をつむぎ出している。深作流演出の相変わらずのサエは、このサントラからも読み取れたのだ。


 

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