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『しあわせ』

森 世一
text by Seiichi Mori
映像と音が見事にクロスする瞬間
 音楽があふれだし映像があふれる。クロード・ルルーシュのみなぎる才気に舌を巻く。その気品あふれる映像感覚と、物語が語る壮絶なる運命のコントラストの妙はスゴイの一言。さらににもうひとつ、音楽の戦略にダウンさせられた。

 劇中に登場するビッグバンドジャズ、タンゴ、シャンソン、クラシックバレエ曲など、すべての音楽が物語に関わってくる。ビッグバンドの曲では役者自身が招かれてノリノリで曲を奏でてしまうという、ゴキゲンなシーンが用意されているわけである。もちろんこれらはサントラに収められている。

 三つの運命が同時進行し、複雑にからみ合いながらラストシーンへなだれこむ。映画の常套句とも みえるこの構造は、ルルーシュの手により一大叙事詩と変貌する。映像の切れと用意された三つ音楽
 
 
監督:クロード・ルルーシュ
発売:BMGファンハウス
2427円(税抜き)
のモンタージュに酔いしれる。シンフォニーからシャンソン、そしてジャズへ。それらはときに人物の感情を伝えるものであったり、役者自身がピアノ曲を奏でる楽しいシーンの雰囲気を伝えるものであったりする。ここでは特にわかりやすいシンフォニーと、良質で気品あふれるジャズシーンに耳を傾けたい。とにかく音楽の物語への組み込まれ方に圧倒された。日本盤CDが出たことも嬉しい。


 

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