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『カノン』

森 世一
text by Seiichi Mori
ノンジャンルの傑作音楽集として聴く
 『カノン』は誰にでも薦めるというわけにはいかない作品だ。まして、サントラはちょっと聴いてみようかという人にはオススメできない。コンピレーションとはいえ、これほどモンド(珍奇なもの)とは思わなかった。しかしこの映画の本質をよく伝えているのも確かだ。

 1曲目はギャスパー・ノエ監督の前の作品『カルネ』の物語の説明部分のバックに流れる音楽だが、特に映画の場面転換の部分、つまりこの作品の生命線とも言える“カット変わり”に流れる<ジャン>という音楽が強い印象を残す。もちろんギャスパー・ノエのセリフ入りというわけだ。これがイイ。スゴイ。

 マーチやポップス、ブルージーなギターソロなどが羅列されるが、映画で観た時よりもCDで聴くともっとヒートアップされて大げさに聴こえてくるから面白い。なんて音楽だ!と言いつつも、思わず聴き入ってしまう。しかも42分もある。フランク・ザッパをイナカ風にするとこうなるかもしれない(しかしそれぞれちゃんと聴けます)。
 
 
コンピレーション
発売:カルチュア・パブリッシャーズ
販売:ワーナー・ミュージックジャパン
2,400円(税抜き)


 言ってみればさまざまなジャンルを混在させたヒップホップ的な音楽であり、決して個々の音がそれぞれのジャンルを代表するわけではない。映画音楽とはそもそもノンジャンルなわけで、ふいにこんな音楽に出会ってしまうから面白いのだ。聴けばいつでもハッピーになれるような1枚。


 

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