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『キャラバン』

森 世一
text by Seiichi Mori
辺境の地から届いたグローバルな音楽
 まことに美しいグローバリゼーションに充ちた音楽を提供した映画に出会った。実はこの映画を観た時、ヒマラヤ山脈に脈々と流れる現地民族の音楽をモンタージュして新たに構築したものかと思った。日本で言えば読経のようなものがモチーフとしてくり返し使用されたように聴こえたのだが違ったのだ。

 もちろんヒマラヤにあるラマ僧の読経とともとれる混声を多用しているし、打楽器などもおそらく現地のものは使っているはずだが、ここにあるソング=歌は、まるでポップスかフォークソングでも聴いているようで、実に耳になじむ。何回か同じ節回しのヴォーカルが出てくるのは、メロディーは違いこそすれ、『コンドルは飛んでゆく』のような曲を連想させる。エスニック的であるが、同時にエスニックではないのだ。

 ここでは大胆なモンタージュがなされていた。コルシカ島で活躍している男性コーラスグループが使われており、これに弦楽器などが加わることで、
 
 
CARAVAN
音楽:ブリュノ・クーレ
販売:東芝EMI
2,427円(税抜き)
現地の言語や読経が一瞬にして西洋的な音楽へ、グローバルな音楽へと変貌していく。

 映画の舞台となった辺境の地から届いた新しい音楽を、そよ風のように聴く。2000年フランス・セザール賞最優秀音楽賞受賞は当然と言っていいでしょう。


 

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