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『60セカンズ』

森 世一
text by Seiichi Mori
秒刻みのあふれ出るスピード感
 コンピレーションの方がどうしても売りやすいのかそちらの盤に目がいってしまうのだがスコア盤が出た。スコアとは言え最初から最後までブッ飛ぶジミ・ヘンドリックスばりの重低音ロック。 手を変え品を変え音を変質させてロックミュージックをかき鳴らす。スピードそのものが秒単位で音を切り刻んでゆく。どうせ車を盗むシーンと追いかけるシーンしかないのだ。これぞロックの醍醐味と言っていい。約30分の収録だが満足度はCD1枚分はある。

 オーケストラの曲もあるが、シンセの音やロックのリズムに草のつるのようにまとわりついてからみつくのである。時にはサスペンスフルにゆったりとかなでる時もあるが、貫いているのは頼もしいほどのロックのリズムである。
 
 
スコア盤
トレヴァー・ラビン
ワーナーミュージックジャパン
2400円(税別)
シンセも妙にメロディアスに聞こえてくるのもなんとも面白い。

 ハードロック的とはいえ、なぜかなめらかで口あたりがいいのが不思議である。つまり雑に見えるようでいて、実は音質の変化が映画音楽としての質感を出し、品位の高さ、つまり音の幅と厚みを提供しているのである。シンセの表現力にも頭が下がりました。


 

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