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『GOJOE/五条霊戦記』

森 世一
text by Seiichi Mori
メロディを排した“人間以前”の音
 この作品の音楽には、メロディが存在しない。音楽担当の小野川浩幸は、どこにも属さない音楽を作りあげた。しいて言えば“音楽に影響された音楽”とでも言えばいいのか。つまり、リズムが主体で、ノイジーでもある不思議な音(楽)である。小野川は『ユメノ銀河』をやったひとでもある。

 映画からは独特のパッションを感じる。未来でもない、過去でもない、まして現代でもない映像空間に感嘆するのだ。浅野忠信の肉体を通して発せられる疾走感、そして過去も未来も超えてしまったノイジーな音、地鳴りのような響きから発せられた音づくりに感嘆する。映像が音をおしのけ、音が映像を凌駕する。まことに刺激的である。

 この映画には時代設定や固有名詞も存在するが、決してそれを通した人間ドラマではない。 そういうドラマに属さない“人間以前”にワープする、もののけの世界である。
 
 
エイベックス
2,427円(税別)
それにはやはり音楽が流れては困るのだ。ゆえにメロディが排されているのである。

 人間のようなもの、もののけの妖気。肉体的でもあり精神的でもある。それが怒涛のようにおしよせてくる。そこに映画でしかありえない映像と音楽のパッション(饗宴)を感じたのである。絶賛。


 

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