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『Music from the Motion Picture Soundtrack "WHITEOUT"』

森 世一
text by Seiichi Mori
テクノが感情を伝える“新しさ”
 非常に面白い映画が出来たと思う。この映画の売りはワリとハデさをねらっていながら、実はかなりストイックな作劇をしていることである。全体に役者のセリフは少ないし音楽も少ない。本来ならもっとガナリたてて良かったのかも知れないが、そうなっていないのがこの映画の特性で、音楽も含むすべてが、その方向性で映画を面 白くしていったような気がするのだ。

 映画が作られる時、つねに求められるのは「なぜ今か」ということだと思うが、音楽でいえば、現在のヒットチャートを賑わしている曲を使えば当然「今」になる。

  不思議なことに、このアルバムに収められている8曲目の曲は完全にテクノミュージックである。それにオーケストレーションを加えることで、ごく普通 のなだらかな楽曲にしてしまうという企てがなされているのだ。普通テクノを使おうとすると女の子?が街をさまよってテクノミュージックが流れるバーに入ってギンギンにがなりたてる音に身をまかせるというようなシーンを思いついてしまうのだが、この映画では感情を伝える音楽として使用されている。そこが実に新しい。つまり音楽は新しいのに映画音楽としての手法は古典的で、そこがいいのだ。
 
 
住友紀人
ビクターエンタテインメント
2500円
VICL−60599


 全体的にはシンセとオーケストレーションの見事な融合といっていい。特に重い音(ベース的)を基調とした音が耳に残って心地良い。音楽だけでなく、この映画にはそういったストイックさが流れていることに、すごく新しいものを感じたのだが、いかがか。


 

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