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『東映傑作シリーズ/五社英雄 Vol.1』

森 世一
text by Seiichi Mori
佐藤勝さんにはもっと映画音楽を作って欲しかった
 佐藤勝さんの3作は、以前東宝から出た“佐藤勝作品集NO13”に収録のものと同じものではない(パートによってはダブリもあり)。こういう音源が商品として出るのはまことに喜ばしい。CDならではの長尺も貴重である。

 日本の音楽家で好きな作家はと聞かれたら、まず答えるのがこの佐藤勝。なぜ好きかと言えば、この人のどの曲をとっても日本ぽいのだ。そして艶があるというか色っぽい。とても華やかなのだ。映画音楽から感じられる“生き方”みたいなものがとても好きなのだ。この人のリフレインは絶品でまことに美しい。『北の蛍』などテーマソングが流れそのリフレインを聴くと仲代達矢の顔やセリフまで出てきそうである。そのくらい佐藤勝の音楽というのはわかりやすく庶民的。先日観た、岡本喜八『激動の昭和史・沖縄決戦』という作品で、果 たして沖縄メロディーは使われるのだろうかと思ったら、いとも簡単に使われていた。なるほど佐藤勝さんらしかった。本当にもっともっと映画音楽を作って欲しかった。
 
 
菅野光亮(鬼龍院花子の生涯) 佐藤勝(陽暉楼・北の蛍・櫂)
アブソードミュージックジャパン


 菅野光亮氏は『砂の器』の人と言えばわかりがはやい。『砂の器』(松竹)とはうって変わってダイナミックな東映調になるのかと思ったら、当然そうはならないで実にしっとりとしたメロディーのリフレイン。やはり本領のピアノが出てくると菅野作品であることが良くわかる。菅野起用によっていつもの東映調に幅が出たことは間違いない。


 

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