「FILM」
「DVD」
「VIDEO」
「SOUND TRACK」
「BOOK」


 
『エクストリーム』

森 世一
text by Seiichi Mori
テクノ風ダンスソウルミュージック
 最新鋭の音楽と映像的快楽主義に突っ走る。映像と音楽の洪水である。映像が先か、音楽が先か? そのくらいよく映像と音楽がシンクロしている。余りにもシンクロしているのでむしろ音楽も映像も(すなわち、もはや映画自体が)消し飛んでしまう危険性をも内包する。

 エクストリームとは、スポーツの一つで、山の絶壁をスキーヤーのごとく落下していくようにすべる。映画はそういった特殊なスポーツのシーンをただ大画面に羅列していく。音楽もまた映像の快楽に寄りそうようにただ羅列されてゆく。かくてシアターは、音と映像のダンスホールと化す。

 そういうことだから、映像にも音楽にも麻痺してしまい、映像も音楽も環境と化してしまう。そこで映画から音楽を取り出してみると、ちょっと聴きには単なるヒーリングミュージックとして聴こえてしまうが、よく聴くと実はヒーリングミュージックなど飛び越してソウルフルで官能的である。ビートはきいているし、むしろビートのリズムこそがこの音楽そのものだ。

 また、全体に流れるSoulfoodは、いいわゆるソウルミュージックを基盤にしているが、そのバックをつかさどるサウンドはリミックスされ、
 
 
Soulfood+DJ FreeAfro Celt Sound System他
EXTREME(輸入版)

ヘリの音や、マイクを通して変調された人間の声などで複雑にモンタージュされながらもダンスソウルミュージックとなっている。そしてリフの連続。いわゆるテクノミュージック的なのだ。

 もし私が監督であっても、間違いなく、この映画にはSoulfoodを選んだことだろう。
(新宿高島屋アイ・マックス・シアターにて上映)


 

「スロウトレイン」に掲載の記事・写真・カット等の無断転載を禁じます。© Works m bros.