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| 『インサイダー』 |
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森
世一
text by Seiichi Mori |
| ≫ 音楽が映像となって発言している |
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複数のミュージシャンが参加したコンピレーション・アルバムとなっているが、その統一感はあまりに見事である。スコアー・ミュージックはグレアム・レベルのもので3曲と、もう1曲、ヨーロッパ・ジャズ界からヤン・ガルバレイクのものを聴くことができる。とにかく超豪華である。
映画では、インサイダー(告発者)となるラッセル・クロウの重要な心の描写
、会社から追われ、妻からも追われる心の動きが全編に渡って重要な鍵となるが、音楽の方でもギター、アフリカンドラムあるいはピアノなどが折り重なって画面
上で表現される。シンセサイザーも使用されているが、実にストイックで、アコースティックなサウンドを奏でる。
本作を聴いて、まずは音楽界の幅の広さに敬服する。たとえばヤン・ガルバレイクのアコースティックなソプラノ・サックス。それはメロディアスで心地好く耳に入りながら、しかしさざ波のように風のように熱くたぎるサックスの音だ。まったくほれぼれしてしまう。リサ・ジェラード&ピーター・バークの音楽なんて一時期のテンプテーションズとノーマン・ウィットフィールドがコラボレーションでやったソウルとシンセの出会いのような音なのだ。
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リサ・ジェラード&ピーター・バーク/グレアム・レベル他
2400円 |
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2時間38分のこの映画、音楽の無いシーンがかなりある。例えば独り悩む主人公を、しばらく沈黙したままカメラは見つめるのだが、そこにソプラノ・サックスが絶妙のタイミングと音量
で流れ出す辺りなど、それはもう、音楽が見事に映像として発言していたと言っていい。そんな風に、それぞれの音楽がそれぞれに重要なシーンとなって、映画を背負っている。そんなサントラをコンピレーションで仕上げた音楽プロデュースに頭が下がります。アルバムの
完成度としても群を抜く。  |
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