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| 『ヴァージン・スーサイズ』 |
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森
世一
text by Seiichi Mori |
| ≫ サントラでトリップ |
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サウンドトラックとしては、こんな音楽は見たことも聴いたこともない。最初から最後までサイケデリックワールドなのだ。実にトリップ感覚なのだ。考えてみればそうなのだった。ジョン・ケージのやった“音楽がないのも、ひとつの音楽である”という音楽表現も、映画という空間の中の音楽では日常なのである。普通
なら前衛的な音楽、たとえば鳥の鳴き声が入ろうが、サントラならば日常である。そこが映画音楽のすばらしさであり、このエールの音楽も前衛の中に日常が見えてきてまさしく“すごい”のである。勿論全体的にはポップ感覚あふれた音楽だと思うのだが、それをスルリとかわされてしまうのだ。言うなればフランク・ザッパ的なのだ。
このCDの音楽は、テンポが実は歩く速度より遅いものが多い。そこから発せられる“モノ”はメンタルに影響し、 なぜか気が重くなっていくようになるのだが、きっとこれこそがトリップするということなのだろう。
気はメイるのだが精神はなぜか安定に向うのだ。 たとえば6曲目の音楽の中心にはベッドでキシむ音とか、
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エール
東芝EMI
¥2,400 |
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あくびの音とかが入っているのだが、 これをジョン・ケージ的と言わずして何と言おうか。
映画の中で女の子と男の子が電話でレコードのかけあいをするところが音楽的には印象に残るのだが、実はエールの音楽も含めて、この映画には音のない空間がかなりある。そこが幻想的であったりもする映像つくりになっている。
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