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『U.M.A レイク・プラシッド』

森 世一
text by Seiichi Mori
音楽が物語を完璧に語る
 UFOに対してUMA(未確認生物)というのだそうだ。この映画を見た人は少ないのではないかと思う。音楽はこの連載2度目の登場となるジョン・オットマン。この人の音楽だから見にいったのだが、オーケストレーションが実に見事である。やはりこの人からは目を離せない事を確信した1枚。

 まるで『ジョーズ』である。いやそれよりすごい、もっと音が複雑である。より強固に音が折り重なっている。耳をそばだてればそばだてるほど、聴く者の興奮の度合いが増してくる。スゴイのだ。まるでジャズ、ジャジーなのである。テーマになる曲があってインプロビゼーションになり、テーマにもどっていくという流れである。これをバンドではなくオーケストラでやっている。これほど複雑なのに、実に聴きやすいのが不思議なのである。 たぶんそれは時間軸がはっきりしているからなのだ。
 
 
ジョン・オットマン
カルチュア・パブリッシャーズ ¥2,400
映像を何も知らなくても、今は追う音とか、今は逃げる音といった「方向」を感じないわけにはいかない。音楽だけですべての「経過」が完璧に表現され、まったくもってスリリングなのである。

 この映画の最大のテーマである“水”も全編に渡って音楽の中にただよっていて、ウォーターサウンドなるものがあるとすれば、まさにスリリングな動く水の音として刻まれている。傑作。


 

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