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| 『ラストタンゴ・イン・パリ』 |
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森
世一
text by Seiichi Mori |
| ≫ サントラ史以上にジャズ史に残る一枚 |
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完全なオリジナルで公開される日が来るとは、当時を知る者にすればまさかである。それに合わせたわけではなかろうがサントラもCD化。当時のLPと比べ20分以上も長いバージョンでの登場である。
聴くと実に不思議である。これほど新鮮なオリジナリティあふれるジャズだったとは、まったく驚きである。全然古びていない。時代劇は、そのものが古いから、現代劇に比べ古びないのと同様のことが、当時、ガトー・バルビエリが成しとげた独自のラテンジャズ(まさにエポック・メイキングな一大事業であった)のひとつである、このサントラにもみてとれる。
それは、ラテンジャズの中にタンゴという古い形式を取り入れ見事なまでに融合させたことにある。まさにうなってしまう。ブロークン・サキソフォンでもあり、はたまたスタンダードジャズ『テイク・ファイブ』のごとき明快でメロディアスな音。それらが行きつ戻りつ縦横にかけめぐるのだ。興奮が心の底から吹き上がってくる。
勿論、これはダンスシーンのある映画に使用されるために作られた音楽なわけだし、
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LAST
TANGO IN PARIS(輸入盤)
ガトー・バルビエリ |
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映画全体に流れるデカダンとエロスがプンプンにおい立つ映像に確かにマッチしていた。しかし、1曲1曲が、どのシーンに流れるなんてことはどうでもよく、ベタに流れるブロークン・サキソフォンと、メロディラインが頭の中で浮遊するタンゴの音に身をゆだねたい。まさにラテンジャズとタンゴの熱き音に興じよう。このサントラはジャズ史に残る1ページでもあったのだ。同じアーティストの代表作『フェニックス』よりも脂が乗っていると見たが。 |
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