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『フェリーニのローマ』

森 世一
text by Seiichi Mori
必聴のロータ・サウンド
 72年度作品。フェリーニの描く現在と過去が錯綜する“身体的ローマ”。この頃のフェリーニ作品はワイドスクリーンが似合う。ラストのオートバイがけたたましい音でコロシアムをすり抜けて行く映像が妙に生々しい記憶で残っている。このサントラが、昨年ようやくCD化され、日本に出回った。LPでも海外盤しかなかったおすすめ盤である。 音楽は言わずと知れたニーノ・ロータ。最期まで創作活動をつづけ独身だった。フェリーニとずっと仕事をつづけていたが、このCDが出たので、このコンビでアト手に入らないのは『サテリコン』だけになるのではないか。『オーケストラ・リハーサル』なども輸入盤なら手に入る。

  この時期はジャズ界では前衛ミュージックが吹き荒れ、次の時代のエレクトロニクス・ミュージック胎動へと移動する頃であったのだが、
 
 
ROMA ニーノ・ロータ(輸入盤)
そんな中で、こんな楽しい音楽を作っていたのだから何とも面 白い。 単純で明解な音。古代ローマの歴史の底からきこえてきそうな音階のひびき。そしてロータお得意のサーカスできこえてきそうな明るい音をかきまぜて聴かせてくれる。まことにイタリアンな音。映画史上有名な、教会を批判した教会ファッションショーのエレクトリックな音も当然入っている。LPに入っていたストリートで流れていた音源は収録されていないけど、ロータ・サウンドにご満悦です。座右のCDとでも言っておきましょう。


 

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