1979年を生きる清楚な女子大生と2000年を生きる大らかな青年が、時空を超え、声と想いを通わせ合う…。近作『イルマーレ』もそうだったが、これまで基本的にハリウッド・アクションと日本のTVドラマの影響が色濃く感じられた新世代の韓国映画に、ファンタスティックなドラマが台頭してきた。本作は無線機が父と息子の世代をつなぐ時空ファンタジーの秀作『オーロラの彼方へ』の影響をもろに受けたタッチによって、特撮に頼らずとも情感たっぷりに、愛と幻想を描き出すことに成功している。それにしても、なぜいま韓国にファンタ系?
朴大統領暗殺があった激動の1979年と、北朝鮮との緊張が緩和された2000年の若者たちの暮らしぶりを見ていると、韓国の21年という時の隔たりの大きさに驚かされる。つい先頃まで『シュリ』や『JSA』など南北分断という現実の厳しさを反映させた作風が受け入れられていたこの国では、時代は刻々と動き、情勢は激変しているようだ。ヒット作『ペパーミント・キャンディー』は、観客に主人公の人生の思い出だけではなく、葬り去りたい歴史をも遡る旅に同伴させた。だが、本作では過去を生きる女子大生の痛々しい思い出に、忘れてはいけない歴史への想いを重ねる一方で、いまを生きる青年には新生・韓国の希望にあふれた表情や可能性が託されているとも取れるのだ。やはり、時をすれ違って生きる『イルマーレ』の恋人たちも決して過去を変えようとはしなかった。見つめているのは、あくまでも「未来」。変えていくべきは未来。そんなポジティブな現代の韓国の人たちが胸に抱く想いが、ファンタスティックな映画を育んだのではあるまいか。 |
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同感 監督・脚本:キム・ジョングォン 脚本:チャン・ジン/ホ・イナ 出演:キム・ハヌル/ユ・ジテ/ハ・ジウォン/パク・ヨンウ/キム・ミンジュ 2000年韓国 1時間51分 配給:ドラゴン・フィルム
●韓国の人気女優キム・ハヌル主演のファンタスティックなラブ・ストーリー。20年の時を超え、古い無線機を通して知り合った男女の心の触れ合いを繊細に描き出していく。吹石一恵主演でリメイクされることも話題の1作。
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