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『同級生』

加藤久徳
text by Hisanori Kato
英国ならではのセンスがあふれる青春ゲイ・ムービー
 イギリスの、とある郊外に住む16歳の高校生が、自分自身との葛藤に悩みつつ、恋に命の炎を燃やす青春LOVEストーリー。ただし、コチコチの本格派ゲイ・ムービーでもある。

 本格派と言えるのは巻頭部分で、主人公スティーブン(ベン・シルバーストーン)が公園の公衆トイレで男漁りに精を出すシーンをわりと辛辣に描写するからだ。ただし、生々しさがないからリアリズムではなく、ドキュメンタルである(ドキュメンタリーという言葉を作ったのはイギリス人だから、英国映画は何を作ってもどこかしらドキュメンタリーになってしまうので、それは一種の国民性。だから娯楽一点ばりのハリウッド映画に負けたのだが…)。しかし、この映画はそれ以上はドキュメンタリーになっていない。あくまでもドラマであり、作者はスティーブンとその周囲の人物ひとりひとりを、いかに見る者に理解させ、納得させるかに徹底的に力を入れている。その第一が会話の面白さだ。イギリス風のセンスあるユーモアが各所に現れ、ささいな日常会話にも動きが伴うので見る者を飽きさせない。元が戯曲だからセリフに重点が置かれるのは当然なのだが、脚色をした原作者のパトリック・ワイルドは映画に精通しているらしく、過剰に芝居を長引かせる書き方をしていないのがいい。構成は淀みなく、無駄というものもない。ラスト近くでスティーブンと恋人のジョン(ブラッド・ゴードン)を再び会わせるのは、唯一の舞台臭さの延長として許してもいいと思う。基本的に作者は主人公に対して慈しみを持っており、眼差しは優しいのだ。必要以上に登場人物が多く感じられるのは前述したドキュメンタリー映画のお国柄によるもので、これも変えられないと思う(『トレインスポッティング』など、一連の英国映画を思い出してみればわかるだろう)。

 いずれにしろ、この映画の魅力はさわやかであることだ。ズラリと並ぶストレスの数々はシンクロ高校生の青春を描いた『ウォーターボーイズ』と正反対だが、終わったあとの爽快感は、決して負けるものじゃない。
GET REAL
監督:サイモン・ショア
原作・脚本:パトリック・ワイルド
出演:ベン・シルバーストン/ブラッド・ゴードン/シャーロット・ブリテン/ティム・ハリス/ステイシー・ハート
1998年イギリス
1時間50分
配給:アスミック・エース


●サンダンス・フィルム・フェスティバルなど世界各地の映画祭で絶賛されたゲイの少年の恋愛を描いた青春ドラマ。新進若手俳優が共演し、フレッシュな魅力を発揮。『恋はハッケヨイ!』のシャーロット・ブリテンが主人公の良き理解者を好演している。


http://www.asmik-ace.com/Getreal/


 

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