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『デュエット』

加藤久徳
text by Hisanori Kato
パルトロウ&ルイス、異業種に奮戦する2人にゼニを払え!
  アメリカ映画が最近ひんぱんに作る、複数の登場人物が最後の大団円に向かって突き進む群像ドラマ(『マグノリア』、『ドッグ・ショウ!』、『トラフィック』など…)の1本である。ただし、人数が幾分少ないせいか、従来の群像劇よりさっぱりしていて分かりやすいのが救いだ。そしてこの映画は、世界的なブームとなっているカラオケの世界を描くことで一種の音楽映画でもあり、すんなりドラマに溶け込んで見られる一因にもなっている。
 
 嘘か本当かは別にして、現実として描かれるこの映画のカラオケ世界はスケールがデカい。アメリカにおけるカラオケ人気の高さ(カントリー・ミュージックの本場にも浸透している)と、カラオケの使い方が日本のノド自慢と同じであることが面白く、何よりもハスラーまがいの賞金稼ぎが全米に横行しているという描き方が興味をひく。当然のことながら、グウィネス・パルトロウをはじめ、主要キャストの多くが実際に歌を歌う。パルトロウの実父であるハスラーを演じるのがトップ・シンガーのヒューイ・ルイスであり、このルイスとパルトロウの2人がデュエットするシーンが本作の見せ場だ。

 意外なほどの歌唱力を見せる女優パルトロウと、本職より達者な演技力を披露する歌手ルイス。異業種に対する2人の奮戦が撮影現場でどの程度であったかは知らないが、この映画で観客からゼニを取れる一番の要素を挙げるとしたら、この2人だと自分は思う。

 歌こそ歌わないが、名女優アンジー・ディッキンソンがパルトロウの祖母役で特別出演して場面を盛り上げる。ハワード・ホークスの傑作西部劇『リオ・ブラボー』の女賭博師役1本で映画史に残る彼女だが、すっかり婆さんになった。それでもルイスに啖呵を切るあたりに往年の鉄火肌を感じさせ、さすがと喜ばせるものがある。彼女もまた、ゼニを取れる要素のひとつである。
DUETS
監督・製作:ブルース・パルトロウ
出演:グウィネス・パルトロウ/ヒューイ・ルイス/マリア・ベロ/アンドレ・ブラウアー/ポール・ジャマッティ/スコット・スピードマン/アンジー・ディッキンソン
2000年アメリカ
1時間52分
配給:HRSフナイ


●グウィネス・パルトロウの実父ブルース・パルトロウが監督、グウィネスと当時交際中だったブラッド・ピットが共演と話題を呼んでいた今作。2人の破局後、一旦は製作が白紙に戻ったものの、キャストを一新して完成。それぞれに事情を抱えた6人の男女が、カラオケ大会を勝ち進んでいくうちに、自分の姿を見出していく物語が爽快。


 

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