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『コレリ大尉のマンドリン』『ブロウ』

金子裕子
text by Yuko Kaneko
久しぶりの“本物の女優”の登場に感動! ペネロペ・クルスの魅力とは…
 公私共に、いまもっともハリウッドで注目されていると女優といえばペネロペ・クルスだろう。2000年になって、スペインからハリウッドに進出したばかりだというのに、『すべての美しい馬』ではマット・デイモン、『ブロウ』ではジョニー・デップ、『コレリ大尉のマンドリン』ではニコラス・ケイジ、そして今年の12月公開予定の『バニラ・スカイ』ではトム・クルーズと、次々とスターとの共演が実現している。しかも、共演者4人のうちジョニーを除く3人とは恋の噂もささやかれ、結果的には、いちばん大物のトム・クルーズを射止めたという、強者でもある。それも、ニコール・キッドマンとの泥沼の離婚劇を勃発させてまで、トムはペネロペにご執心なんだから、まさに魔性の女?

 折しも日本では、『コレリ大尉のマンドリン』と『ブロウ』という、まったく違ったペネロペが見られる作品が同時期に公開。前者では、ギリシャの小さな島に住む純真な娘役。ニコラス・ケイジ演じる占領軍のイタリア兵と禁じられた恋に落ちながらも、自らの運命を切り開いていくけなげさは感動的だし、黒い瞳を輝かせた可憐な風情は、男なら誰もが“守ってあげたい”モードに入ってしまうのは、むべなるかな。しかし、後者の『ブロウ』では、そんな魅惑のルックスをフルに生かしてジョニー演じる麻薬密売王を誘惑する悪女を熱演。前半の登場シーンこそセクシーで華麗なんだが、結婚して妊娠し、夫が落ち目になったあたりからの変貌たるや、オドロキ。まぁ、すすけたオバサンの外見はメイクと衣装でどうにでもなるのだが、注目すべきは、ジャンキー演技と、ダメ亭主を救いようのないほどに罵倒するその迫力。いやー、これが『コレリ大尉のマンドリン』と同じ娘とは…。

 でも、『コレリ〜』の監督、ジョン・マッデンも言ってたしな。「ペネロペは、ああみえても芯はとっても、とっても驚くほどに強くてタフな女性。いくらマスコミの大騒ぎにもまれてもヘコたれないさ。それに、キャラクターの魂と共鳴させて自然に演じる才能は素晴らしいから、女優としても天下一品さ」と。つまり、外見は可憐でいたいけ風でも中身はしたたかってこと。そりゃそうでしょ。15歳のときからスペインではトップ女優として君臨してきてるんだから。そうでなければ、生き馬の目を抜くハリウッドで、こんなに急激にサクセスするはずもない。久しぶりに“本物の女優”が登場したと、いうことでしょうなぁ。

©2001 UNIVERSAL STUDIOS,STUDIOCANAL AND MIRAMAX FILM CORP.ALL RIGHTS RESERVED.
CAPTAIN CORELLI'S MANDOLIN
監督:ジョン・マッデン 原作:ルイド・ベルニエール
出演:ニコラス・ケイジ/ペネロペ・クルス/ジョン・ハート/クリスチャン・ベール
2001年アメリカ
2時間9分
配給:ブエナ・ビスタ


●第二次世界大戦下のギリシアの孤島を舞台に、イタリア軍大尉と島の娘の悲恋を描きだした人間ドラマ。主演のニコラス・ケイジが見事なマンドリンの腕前を披露。


http://www.movies.co.jp/corellis/

BLOW
監督・製作:テッド・デミ
出演:ジョニー・デップ/ペネロペ・クルス/ポール・ルーベンス/フランカ・ポテンテ
2001年アメリカ
2時間3分
配給:ギャガ=ヒューマックス


●'70年代アメリカ裏社会に君臨した伝説の麻薬密売人ジョージ・ユングの半生を描く人間ドラマ。ジョニー・デップが実在の男の20代から50代までを、華やかながらも哀愁を醸し出しながら熱演。


http://www.blow-jp.com/


 

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