まず、この映画は、主人公のエド・ゲインなる人物が何者か知っておかないと、生理的に気持ち悪い映画で片付けられてしまう危険がある。ショッカーとか、スプラッター映画を見るようなつもりで臨むならやめたほうがいい。気持ち悪いという点なら『ハンニバル』のような超のつく大作もあったが、『エド・ゲイン』には『ハンニバル』のような高尚なウンチクはない。究めてマジメでドキュメンタルな作風を持ち、実際に起こった事件に対する綿密なリサーチの結果が隅々に行き届いている。事件の現場となるゲインの生家など、美術監督はオバケ屋敷のような再現はせず、実際に人が生活して機能している家として作っているから、記録性さえも備えている。しかし、自分が気に入ったのは50年代後半のウィスコンシン州の田舎町の風情だ。ロケ地となったその町が50年前とほとんど変わっていないのかもしれないが、自分もその場所に居るような錯覚すら覚えた。この時代にはこのような人々が住んでいて、だからゲインは犯行に及んだのだと。見ていてそのへんがとてもよくわかるのだ。
昔のドキュメンタリー・フィルムを見ると古臭さを感じるが、この作品は2000年の映画だから、まぎれもなく虚構だ。だから呑気に見てもいられる。それでも気持ち悪く見えるなら、それはエド・ゲインがそういう人間だったから。この映画で気持ち良くなるシーンなど、実はひとつも出て来ないのである。
心して見るべし。 |
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ED GEIN
監督:チャック・パレロ 製作総指揮・出演:スティーブ・レイルズバック 脚本:ステファン・ジョンストン
出演:キャリー・スノッジレス/キャロル・マンセル/サリー・チャンプリン
2000年アメリカ
1時間30分
配給:ヘラルド
●名作『サイコ』や、『悪魔のいけにえ』などのもととなった犯罪者エド・ゲインの人生を映画化。スリラーには定評のあるチャック・パレロが監督を務め、シッチェス国際カタロニヤ映画祭で最優秀作品賞と最優秀男優賞を受賞した。
http://www.herald.co.jp/movies/edgein/
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