アクション派で鳴らすレニー・ハーリン監督だが、この最新作はちょっと趣向が違うようだ。己の肉体を、限界ギリギリまで酷使するカーレースの世界。本作では、そんな苛酷な世界を生き抜く厳しい“掟”を、先輩レーサーたちが身を粉にしてルーキーに伝えようとする感動的な姿が描かれる。新人レーサーの出世物語であると同時に、その陰で繰り広げられるベテランたちの熱き闘争の記録であるのだ。
出演者の顔ぶれが心憎い。70、80年代のマネー・キング、シルベスター・スタローン&バート・レイノルズのオジさんコンビに対し、『タイタンズを忘れない』('00)のキップ・パルデュー、『PLANET OF THE APES 猿の惑星』('01)のエステラ・ウォーレンというフレッシュ・カップルをキャスティング。カムバックした天才レーサー、野心家のチームオーナー、期待の新人レーサー、そのライバルであるチャンピオンの婚約者と、それぞれの役柄と個々の役者とが絶妙にシンクロされているので思わずニンマリ。
ところで、ハーリン監督の映画には必ずといっていいほど“強い女”が出てくるが、この映画ではその点もやや希薄である。『エルム街の悪夢4 ザ・ドリームマスター最後の反撃』('88)の超能力ガール、『クリフハンガー』('93)の山岳救助隊員、『カットスロート・アイランド』('95)の盗賊、『ロング・キス・グッドナイト』('96)の秘密工作員、『ディープ・ブルー』('99)のサメと闘う海洋博士…。自分の感情を爆発させ、なりふりかまわず自己主張するというヒロイン像は、ハーリン作品の重要なテーマであり魅力になっているのだ。
とはいえ本作の場合は、女も男たちと同様に、ベテランが自らの行動でルーキーに手本を示すのである。婚約者とケンカ別れするや、すぐにキップ君に乗りかえる尻軽娘ウォーレン嬢。それに対し、もはや盛りを過ぎたジーナ・ガーション演じるアバズレ女が、決してトップ・レーサーになれない夫の苦悩を知るにおよび、無償の愛を注ぎ始める。なかなかどうして、味わい深い大人のドラマなのだ。もっとも、これには脚本を担当したスタローンの功績も挙げねばなるまい。 |
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DRIVEN
監督・製作:レニー・ハーリン
製作・脚本・出演:シルベスター・スタローン
出演:キップ・パルデュー/バート・レイノルズ/ティル・シュヴァイガー/エステラ・ウォーレン/ジーナ・ガーション
2001年アメリカ
1時間57分
配給:ヘラルド=松竹
●『クリフハンガー』('93)以来8年ぶりに、シルベスター・スタローン&レニー・ハーリンのコンビが顔を合わせた熱血カー・アクション・ドラマ。最新CGI技術を取り入れて完成させた、大クラッシュ・シーンが炸裂するレース・シーンも見もの。

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