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『チアーズ!』

杉森直行
text by Naoyuki Sugimori
スポーツ“チアリーディング”を、スケベ心で見るなかれ!
 笑顔、笑顔、笑顔…が、スクリーンからこぼれ落ちるかのようなフレッシュな輝きに満ちた映画だ。ヒロイン役のキルスティン・ダンストが見せる健康的な笑顔と、彼女の体全体から発散される若いエネルギーが、圧倒的な力強さで観る者を支配する。キルスティン・ダンストを見るためだけに、この映画は存在しているといってもいいだろう。

 タイトル(邦題がうまい!)からわかるとおり、チアリーダーの物語である。ミニスカートにヘソ出しルックのユニフォーム姿で、大きな掛け声を張り上げ、アクロバティックに飛び跳ね、セクシーに体をくねらせる。小気味よく弾むバストは男性諸君を悩殺するだろうが、キルスティン・ダンストの笑顔はそんなハレンチな思いなど瞬時に吹き飛ばしてしまう。汚れを感じさせない純粋な美を放っているのだ。

 一方、本作で描かれる男は情けない奴ばかり。浮気野郎、弱小アメフト・チーム、詐欺師のほか、男子チアリーダーにいたっては、練習中に女子の股ぐらに手を滑り込ませたりする輩も。なかでもクローズアップされるのが、ヒロインと恋仲になるクラスメート。彼はチアリーディングを“恥ずかしい行為”と捉えていて、それを見つめる表情には“照れ”の感情が宿っているのだ。だがチアリーディングは、れっきとしたスポーツである。アイス・スケート、新体操、シンクロナイズド・スイミングなどと同じく、技術と芸術性の両面を競い合う。そして笑顔こそが、芸術性を高める重要な要素。キルスティン・ダンストのとびっきりの笑顔は、一流スポーツマンとしての誇りであり、証しでもある。
BRING IT ON
監督:ペイトン・リード
脚本:ジェシカ・ベンディンジャー
出演:キルスティン・ダンスト/エリーザ・ヂュシュク/ジェシー・ブラットフォード/ガブリエル・ユニオン/クレア・クレイマー
2000年アメリカ
1時間40分
配給:東宝東和


● 全国大会で優勝を狙う2つの高校のチアリーディング・チームの闘いを描いた青春ドラマ。クラブにも恋にも一生懸命なヒロインをキルスティン・ダンストが好演し、全米で大ヒットを記録。ヒット曲を満載したサントラも人気。


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