映画を嫌う人たちの理由のひとつに、映画には必ず“愛”が強引に顔を出すから見たくない!というのがある。現実のどこに“愛”がそんなにたくさん転がっているんだ!と言われれば最もなことだと認めざるをえないが、映画を生業にしている人間に言わせれば、愛と無関係な映画もかなりあるのだが…。
この作品は、そんな人に見てもらいたいハートのある秀作だ。心当たりの友人でもいたら、連れていって見せてほしい。
『ココニイルコト』は、若い男女が“愛情”ではく、“友情”を育んでいくものだ。タッチは切々としていて、哀惜の念もタップリだが、梅雨空のようにジメジメしていなく、薄っぺらな晴れやかさを見せるわけでもない。社会の一員でありながら、その場所(職場)でどこか浮いている男女が、自然な形で理解していく。この関係って、都会の中だから成立するのだろう。東京人の僕はそう思う(この作品は大阪が舞台。東の女が西の男と出会う話だ)。
最相葉月が自身の思い出を綴ったエッセイを、脚本家でプロデューサーの長澤雅彦が三澤慶子と脚色し、初監督した作品。わずか1200字のエッセイを1時間55分に無駄なく膨らませた力量はたいしたもの。ヒロイン・志乃役の真中瞳に対する使い方がいい。芝居を付ける時には、かなり気を配ったことだろう。気怠く眠そうな顔で動き回る前半の醜女ぶりは見ていて腹が立ったが、後の“親友”前野(堺雅人)と心を通わせていくあたりから、どんどん魅力的な女になっていく。星空を発見した時の真中の表情は最高! Nステのスポーツ・キャスターが今年の演技賞を獲るのは、当確と見た。 |
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監督・脚本:長澤雅彦 原案:最相葉月
出演:真中瞳/堺雅人/中村育二/小市慢太郎/黒坂真美/原田夏希/島木譲二/笑福亭鶴瓶
2001年日本
1時間55分
配給:ヘラルド
● 『はつ恋』の脚本家・長澤雅彦の監督デビュー作。タイトルは人気シンガー、スガシカオが初めて書いた曲からとられており、今作のテーマ曲としても使われている。

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