『アビス』みたいな“海洋アドベンチャー”を期待したら、違うんですよね。ひとりの黒人の誇り高き自立の物語だった。主人公カール・ブラシアは実在の人物。黒人差別が色濃く残った50〜60年代のアメリカの軍隊で、もまれても、ふまれても、深海ダイバーになろうと奮闘する。そのすさまじい闘魂記録を描いたのが、この映画。
主人公を演じるのがキューバ・グッディング・ジュニア。根性丸出しで、体を張って、ダイバーをめざす。こんな黒人の偉人もいたんだ、と、教育効果も入った感動作だ。
監督は黒人家族を描いた『ソウルフード』が評価された黒人の若手監督ジョージ・ティルマン・ジュニア。ちょっと前にこういう内容の映画を撮ったら、『マルコムX』みたいに“黒人のための黒人の映画”になったかもね。でも、スパイク・リーやジョン・シングルトンの時代は遠くなりにけり。シングルトン映画でスターになったグッティングを使って、黒人監督が撮っても、政治色はなく、口当たりのいい娯楽作になった。
90年代以降の黒人映画の流れが、どんどん角を削ぎ落とされ、こういう形で生き残った、ということでしょうか。 |
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©2000 TWENTIETH CENTURY FOX
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MEN OF HONOR
監督:ジョージ・ティルマン・ジュニア
脚本:スコット・マーシャル・スミス
出演:ロバート・デ・ニーロ/キューバ・グッディング・ジュニア/チャーリズ・セロン/マイケル・ラパポート
2000年アメリカ
2時間8分
配給:FOX
公開中
●アフリカ系アメリカ人で初めて米海軍の栄誉ある“マスター・ダイバー”となった青年の実話を映画化したドラマ。男同士の熱いドラマに華を添える、チャーリズ・セロンにも注目。

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