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『センターステージ』

清水節
text by Takashi Shimizu
本物のダンスを楽しめる、きわめてシンプルな青春ドラマ
 なにも『ブラス!』や『フル・モンティ』といったブリティッシュものに端を発しているとは言い切れないが、“音楽”をキーに展開する映画の快進撃は止まらない。昨年のラテン系ブームを経て、やるせない日常のうっぷんを晴らすかのように踊りに懸ける『リトル・ダンサー』も、絶望的な現実から逃避する世界観をミュージカルに託す『ダンサー・イン・ザ・ダーク』も、癒しの象徴として、堰を切ったかのように“音楽”に心は解放されてきた。

 でも、たまにはノーテンキに音楽に身を委ねるのもいいじゃないか、というわけで『センターステージ』である。格調高いバレエ学校を舞台にしているため、クラシックなイメージがつきまとうが、とんでもない。これは80年代の学園ドラマのりや、はたまた大映TVドラマさえ彷彿とさせる男女複数相乱れての恋と青春と踊りのシンプルな群像劇だ。

 主人公は、アメリカ最高峰のバレエ団で明日を夢見るNYの若者たち。癒し系ムーヴィーとの最大の違いは、ダンスが本物であること。監督は、ミュージカル「ミス・サイゴン」や「回転木馬」を演出してきたニコラス・ハイトナー。彼の集めたプロのダンサーたちの踊りはハイレベル。とりわけ無名の新人女優、アマンダ・シェルの瑞々しさは最大の収穫だろう。クラシックバレエあり、ジャズダンスあり、ブロードウェイダンスあり、サルサあり…。劇中劇として登場するバレエの演目には、「ロミオとジュリエット」や「白鳥の湖」といった定番から、ベッドシーンまで挿入されるMGMミュージカル風ダンスまで。狭き門をかいくぐるため、焦燥感を募らせながら、自分の可能性を身体に懸け、挫折を感じ、それでも前向きに生きようともがく設定が、肉体性を喪失しがちなこんな時代に、実に心地よいのだ。
CENTER STAGE
監督:ニコラス・ハイトナー
脚本:キャロル・ハイキネン
出演:アマンダ・シュール/ゾーイ・サルダナ/スーザン・メイ・プラット/ピーター・ギャラガー
2000年アメリカ
1時間55分
配給:ソニー
公開中


● NYのトップ・バレエスクールを舞台に描かれる、若手ダンサーたちの姿に迫る青春ドラマ。迫力のダンス・シーンは圧巻だ。


http://www.spe.co.jp/movie/centerstage/


 

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