いわゆるファムファタールものである。男心を巧みにもてあそび、己の欲望を叶えるために破滅の道へと誘い込む魅惑の性悪女。本作ではローレン・バコールやジョーン・ベネット、はたまた『白いドレスの女』のキャスリーン・ターナーに比べれば、まだ小娘ちゃんに過ぎないリブ・タイラーが演じている(もう十分オトナですけどね)。この一見“?”マークがつくキャスティングが意外にはまっているのは、この映画が確信犯的に悪女もののパロディになっているからだ。
女好きのバーテン、マゾ趣味のある弁護士、孤独なヤモメ刑事が、ジュエルという女に翻弄された体験を語り明かす回想形式で進行。男たちの三者三様の見事なダメっぷりに加え、それぞれがジュエルに対して抱いた欲望の質が異なっているところが面白い。例えばジャンル的に本作に近い『メリーに首ったけ』のメリーに対する男たちの目は、彼女の“ルックスも性格も完璧”というひとつのイメージに集約されていた。一方『ジュエルに気をつけろ!』の場合、「セックスが好きなところがいい」とか「家庭的なところがいい」とか、心を奪われた理由に“個性”があるのだ。もちろん個性豊かな筆者も「彼女のすべてがいい」と思った。ジュエルがプレイボーイ誌風の濡れたスケスケ・ルックで挑発する艶姿など、いかにもアメリカンなセクシー・ショットには思わず苦笑しましたけどね。
もしラストでとてつもなく“醜い”ジュエルが現れて男の欲望を木っ端みじんに粉砕したら、より物凄いパロディ怪作になっただろうが、さすがにそれはなかった。この意味においては、妄想派の男性客に優しい悪女ムービーといえる。 |
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ONE NIGHT AT McCOOL'S
監督:ハロルド・ズワルト 製作・出演:マイケル・ダグラス 出演:リブ・タイラー/マット・ディロン/ジョン・グッドマン/ポール・ライザー 2001年アメリカ映画/1時間33分 配給:ギャガ=ヒューマックス 公開中
● 小悪魔的な美女・ジュエルに翻弄される3人の男をつづるクライム・コメディ。ラストには製作も兼任するマイケル・ダグラス主演の『フォーリング・ダウン』のパロディも登場!

http://www.gaga.ne.jp/jewel/
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