最近、色気の定義が誤解されている。ナイスバディの女や男が、脱げば色っぽい、みたいに思われているのでは。
でも、そうじゃない本物の色気を久しぶりに見た。この映画の男優には参った。ジュード・ ロウとジョセフ・ファインズ主演。百発百中のスナイパー役のジュード、名誉心と友情のはざまで苦悩するジョセフ。英国美形スターの共演、たしかに目にうるわしいのだが、彼らが光っているのは色気じゃなくて、演技力のほう。英国舞台で鍛えた力を発揮したふたり。
最も色っぽかったのは、中年のエド・ハリス。ジュードと最後は対決するナチス・ドイツの射撃の名手役。少年をスパイとして使って、ジュードを追いつめる冷徹さ。その軍服姿からこぼれ落ちる色気ときたら。顔の輪郭はくずれていて、お世事にもハンサムとはいえない。スタイルもふつう。頭は昔から薄い。でも、どうしてなの、この色気。
ツルツル・ピカピカの顔が色気ではない。その崩れ落ちる一歩手前の頽廃美。人間くささと知性をミックスしたダンディズム。それに加えて、動物的なにおいもある。本当の色気はワイン同様、熟成後に生まれるのかも。朽ちる直前の肉の存在が、軍服ごしに妖しく迫る。 |
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