キワ物めいた邦題だが、分類すれば芸術映画の範疇に入る。当然ながら、登場人物に対して残酷であり、そして無慈悲にイヤラシイ。娯楽映画にある健康的なエロティシズムとか、都合のいい救済などは一切ない。だから、芸術映画を嫌う人が多いのだろう。いや、本来の芸術映画(正確には西欧、北欧などのヨーロッパ映画のことをさす)は“難解”だから庶民には嫌われたのだが、今どきの芸術映画は見る者の知的センスに訴える難解さよりも、視覚的なエロティシズムをやたらにリアルに訴える方に比重が掛かる。これは決して、見ていて楽しいものではない。
資本経済に移行したロシアが作った『フリークスも人間も』は、エロの部分がリアルであることに変わりはないが、描く内容が興味をそそる。20世紀初頭のサンクトペテルブルクに住む男たちが、文明の利器である写真カメラやシネマトグラフ(リュミエール兄弟が開発した映画用撮影カメラ)を使って、エロ写真や、SM映画を作り始める話である。それを大マジメに監督のバラバノフは撮っている。彼は本国にある〔エロティック博物館〕で見た1850年頃の1枚の写真からインスピレーションを受けたと語っているが、その想像力たるや、ロシアのグラフィックなポルノ産業のオリジンはきっとこうなのだと信じこませるものがある。ベティ・ブープで有名なフライシャー兄弟でさえ、無声期はポルノ・アニメを作っていたのだから、この映画の中のことを僕は、実際にあった歴史的事実として信じる。
生々しく、そして不気味なまでのイヤラシさは格別な味わいがあり、正直、興奮した。 |
 |
|