新世紀の幕開けは、地球規模で映画がシンクロした。それは孤立と絶望を乗り越えて「生」を見つめ直す3本のサバイバル・ムービー。なぜだかバスが砂漠に迷い込み、十人十色の乗客たちの人間性があらわになるヨーロッパの観念劇『キング・イズ・アライヴ』。バスジャック事件に居合わせた者たちがトラウマを克服しようともがくニッポンの抒情詩『EUREKA(ユリイカ)』。そして『キャスト・アウェイ』は、あくまでもハリウッドらしく具体的にサバイバルを見せた。
世界中を飛び回るフェデックスのエンジニアを主人公とするあたりから、孤立感を際立たせるための設定としてあざといというか、運命的というか、わかりやすい。孤島へと漂着するきっかけは、太平洋上でのド派手な飛行機事故による嵐の海への不時着。中盤と終盤に、生死を賭け自家製いかだで荒波に船出する見せ場が用意された。これらのスペクタクルによってハリウッド映画の面目躍如。では、肝心なサバイバルのプロセスはどうか?
絶望感に苛まれる者の内面を追うことをゼメキスは途中で放棄する。生きる厳しさを最も表現し得たのは4年の歳月を早送りしてしまった直後。それは25キロ痩せ細ったトム・ハンクスの肉体芸だった。事故ではなく自己に打ち克つという精神的テーマでさえ、肉体の変容というフィジカルな視覚効果で表現しようとするハリウッド的イベント・ムービーの論理がここにはある。 |
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